技術情報

無電解ニッケル‐りんめっき(Ni-P)のJISについて

無電解ニッケル‐りんめっき(Ni-P)のJISについて

(H8645)

 

1.適用範囲-この規格は、鉄、毎、アルミニウム及ぴそれらの合金素地上に防食住、耐磨耗性などの目的で施した有効面(1)の無電解ニッケル‐りんめっき(2)(以下、めっきという.)について規定する。

注 (1)用途上重要な表面をいう。

注 (2)次亜りん酸還元による自己触媒型ニッケル‐りんめっきで、析出物はニッケルを主として、りん2~15%を含むものをいう。

2.用語の意味-この規格で用いる主な用語の意味は、JISH0400によるほか、次による。

(1)熱処理めっきの硬さ調整と耐磨耗性、密着住のための加熱処理をいう。

3.等級及び記号-めっきの等級、素地金属、最小厚さ及び記号は表のとおりとする。

表1

めっき種類

等級

素地金属

最小厚さ(µm)

記号

参考

用途

無電解ニッケル-りん 1級

鉄及び鉄合金

銅及び銅合金

アルミニウム及びアルミニウム合金

3

ELp-Fe/Ni-P 3又は[1]

ELp-Cu/Ni-P 3又は[1]

ELp-Al/Ni-P 3又は[1]

はんだ付け
2級

鉄及び鉄合金

銅及び銅合金

アルミニウム及びアルミニウム合金

5

ELp-Fe/Ni-P 5又は[2]

ELp-Cu/Ni-P 5又は[2]

ELp-Al/Ni-P 5又は[2]

防食

はんだ付け

3級

鉄及び鉄合金

銅及び銅合金

アルミニウム及びアルミニウム合金

10

ELp-Fe/Ni-P10又は[3]

ELp-Cu/Ni-P10又は[3]

ELp-Al/Ni-P10又は[3]

防食

耐磨耗

4級

鉄及び鉄合金

銅及び銅合金

アルミニウム及びアルミニウム合金

15

ELp-Fe/Ni-P15又は[4]

ELp-Cu/Ni-15又は[4]

ELp-Al/Ni-P15又は[4]

防食

耐磨耗

5級

鉄及び鉄合金

銅及び銅合金

アルミニウム及びアルミニウム合金

20

ELp-Fe/Ni-P20又は[5]

ELp-Cu/Ni-P20又は[5]

ELp-Al/Ni-P20又は[5]

防食

耐磨耗

6級

鉄及び鉄合金

銅及び銅合金

アルミニウム及びアルミニウム合金

30

ELp-Fe/Ni-P30又は[6]

ELp-Cu/Ni-P30又は[6]

ELp-Al/Ni-P30又は[6]

防食

耐磨耗

7級

鉄及び鉄合金

銅及び銅合金

アルミニウム及びアルミニウム合金

50

ELp-Fe/Ni-P50又は[7]

ELp-Cu/Ni-P50又は[7]

ELp-Al/Ni-P50又は[7]

防食

耐磨耗

 

4.品質

4.1外観-めっきの外観はつやの度合い、つやむら、色むら、くもり、しみ、膨れ、きず、ビット、剥離、割れ、平滑性、素地又は下地めっきの露出、その他使用上有害な欠点があってはならない。

4.2めっき皮腰の化学成分-めっき皮膜の化学成分は、表2に適合しなければならない。

表2

元素名

化学成分(%)

Ni

P

その他の元素

83~98

2~15

0~2

4.3めっきの最小厚さ-めっきの最小厚さは、表1に適合しなければならない。                                 

4.4めっきの硬さ-めっきの硬さはビッカース硬さ500以上、ヌープ硬さ450以上とし、熱処理によってビッカース硬さ600~1000とする。備考試科のめっき厚さは50μm以上とする。

4.5めっきの密着性-めっきの密着性は、7.5によって試験を行い、めっきのはく離又は膨れがあってはならない。

4.6めっきの耐食性-めっきの耐食性は、めっき後処理を行った後、7.6によって試験を行い、レイティングナンバは9以上でなければならない。その後処理、試験時間及び外観変化は、受渡当時者間の協定による。

4.7めっきの耐磨耗-性めっきの耐磨耗性は、7.7によって試験を行い、その評価方法は受渡当事者間の協定による。

備考 試料のめっき厚さは20μm以上とする。

4.8めっきのばんだぬれ性-めっきのはんだぬれ性は、7.8によって試験を行い、浸せきした部分は均一にぬれており、はんだの表面は平たんでこぶがなく、7.5の密着性試験のうちの曲げ試験を行い、はんだがうろこ状にとんだり、はく離があってはならない。

5.めっき前の応力除去-鉄鋼製品、銅合金製品などに対して、めっき前に応力除去の加熱処理を必要とする場合は、その条件は受渡当事者間の協定による。

6.めっき後の水素ぜい性除去-熱処理を施した鉄鋼製品に対する水素ぜい性除去の加熱処理は、めっき後4時間以内に開始しなければならない。なお、処理温度は190-230℃とし、適正な温度は受渡当事者間の協定による。(3)

注(3)めっきの厚さによって水素が除去される度合いが異なる場合があるので、それぞれ適正な処理温度を設定する。

 

9.めっきの呼び方-めっきの呼び方は、めっきの種類、素地金属及びめっきの最小厚さ又は等級の順に表す。

 例:鉄素地上、無電解ニッケル‐りんでニッケル(90%)‐りん(10%)、20μm(又は5級)のめっき

 ELp-Fe/Ni(90)-P20

 ELp-Fe/Ni(90)-P(5)

10. 表示-送り状などに次の事項を表示する。

(1)めっきの種類、素地金属及びめっきの最小厚さ又は等級

(2)加工年月日又はその略号

(3)加工業者名文はその略号

 

(JISハンドブック 34 金属表面処理1994より)